BCG(結核)の予防接種
更新:2022年3月28日
結核とは
結核菌の感染で起こります。わが国の結核患者はかなり減少しましたが、まだ2万人前後の患者が毎年発生しているため、大人から子どもへ感染することも少なくありません。
また結核に対する抵抗力(免疫)はお母さんからもらうことができないので、生まれたばかりの赤ちゃんもかかる心配があります。
乳幼児は結核に対する抵抗力が弱いので、全身性の結核症にかかったり、結核性髄(ずい)膜炎(まくえん)になることもあり、重い後遺症を残す可能性があります。
BCGとは
BCGワクチンは牛型結核菌を弱毒化して作ったワクチンです。
BCGの接種方法は管針法といってスタンプ方式で、上腕の2カ所に針を押しつけて接種します。それ以外の場所に接種するとケロイドなどの副反応が出ることがありますので、絶対に避けなければなりません。接種したところは、日陰で乾燥させてください。10分程度で乾きます。
副反応
接種後10日頃から接種局所に赤いポツポツができ、一部に小さくうみができることがあります。この反応は接種後4週間頃に最も強くなりますが、その後は、かさぶたができて接種後3か月までには治り、小さな傷あとが残るだけになります。これは異常反応ではなく、BCG接種により抵抗力(免疫)がついた証拠です。自然に治るので包帯をしたり、バンソウコウを貼ったりしないで、そのまま清潔に保ってください。ただし、接種後3か月を過ぎても接種のあとがジクジクしているようなときは、医師に相談してください。
副反応としては、接種をした側のわきの下のリンパ節がまれに腫れることがあります。通常、放置して様子をみてかまいませんが、ときにただれたり、大変大きくはれたり、まれに化膿(かのう)して自然にやぶれてうみが出ることがあります。このようなときは医師に相談してください。
また、お子さんが接種前に家族からうつるなどして結核菌に感染している場合は、接種後10日以内にコッホ現象【接種局所の発赤・腫脹(はれ)及び接種局所の化膿が現れ、通常2週間から4週間後に発赤や腫脹がおさまり、瘢痕化し、(あとが残り)治癒する一連の反応】が起こることがあります。通常の副反応における接種局所の発現時期(おおむね10日前後)と異なり、接種後数日間のうち早い段階で発現します。コッホ現象と思われる反応がお子さんに見られた場合は、医療機関に受診すると共に、健康増進課にもお知らせください。治療を要することがあります。この場合、結核に罹患した人と接触した可能性があるご家族の方々も医療機関の受診が必要です。
接種方法
対象年齢
生後1歳に至るまで(標準的には生後5月から生後8月まで)に1回
BCG接種を受けるときの注意
- 注射部位(両腕の肩から手首まで)に湿疹が激しくでているお子さんは症状が軽くなるまで待ちましょう。湿疹がひどくて12か月未満に接種を受けることができない場合は、かかりつけ医または保健センター(健康増進課)に相談してください。
- 注射部位に副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)を塗っている(両腕の肩から手首まで)お子さんは前日から薬を塗ることを中止してください。
- 副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)を飲んでいるお子さんは主治医と相談してから受けてください。
BCG接種を受けた後の注意
- BCG接種の後は、ワクチンが完全に乾くまで洋服は着られません。
- BCG接種を受けた直後は、注射をした部位に直接日光が当たらないようにします。夏季に受ける場合も、袖のついた洋服を着せて来てください。
- BCG接種を受けた後、1時間以上たてば、入浴は可能です。 ただし、接種部位は強くこすらないようにしましょう。
コッホ現象について
通常は、BCG接種後10日以降に接種部位の針痕が発赤、腫脹して化膿してきます。
しかし、この反応が接種後1~10日以内に起こることがあります。これを「コッホ現象」と言います。結核に感染している場合にこの反応が起こる事があるため、接種を受けた人とその家族は結核に感染していないか詳しい検査をする必要があります。
このような反応が起こった場合は、接種を受けた医師に相談し、受診してください。
また、健康増進課にも連絡してください。